ぎっくり腰寝正月は、DVDとハイビジョンテレビおよびマルチチャンネル音響の有難さを再認識する機会となった。動けずに横たわっているとき、NHKをはじめとするハイビジョンテレビ番組ほど面白いものはない。この正月、思えば色々学んだものだ。思い出せるだけでも、
・日本庭園の歴史と名庭園の数々
・バッハの生涯と彼が過ごした街や家、使った楽器など
・フランスやイタリアの美しい小都市。特にフランスの「美しい町100選」の数々
・イタリアの家庭料理の数々
・日本の弓の威力と、矢の飛び方
その他紀行番組諸々。必要なコストをきっちりとかけて体系的に作られたNHKハイビジョン番組はもちろん、ヨーロッパのハイビジョン番組が随分輸入されている。見る内容とタイミングによっては、人生の選択や物の見方、考え方に少なからぬ影響を与え得るコンテンツが沢山ある。
のだめヨーロッパ編非常に良かった。千秋くん、コンクール優勝おめでとう!のだめ初リサイタルおめでとう!涙もろい中年男なので、演奏場面でいちいち感動して落涙してしまう。再放送も始まったがDVD買うかな。
のだめは全巻そろえていたが、音大出身のピアノの先生があまりにも面白いといって漫画を借りていくので、なんとなく全巻差し上げてしまった。またまとめて買っておこうか。映像化は漫画に忠実で配役もいいと思う。千秋くんの指揮と目の演技だけ、あと一息、工夫してくれるとなおよいが。
ウィーンフィルニューイヤーコンサートは非常に良かったのでは?毎年見ている訳ではないが今年はじっくりと。全部暗譜はすごい。日ごろは滅多に聞こうとも思わないウィンナーワルツの、真の姿を垣間見させてくれた。一度は現場に行ってみたいものだ。特殊なコネがないと無理なのかな。リアルタイムでダンスを交えて編集していたが、最後の二人で会談からホールに来る所以外はチャンネル切り替えポイントになってしまっていたように思う。
映画も家族と一緒を含めて色々と観た。全部覚えてないが、
レニーのおいしいレストラン
アポカリプス
300
ミリオンダラーベビー
フェリスはある朝突然に
フィフスエレメント
トリコロールに燃えて
アマデウス
武士の一分
などかな。
アポカリプス。ちょっと詰め切れなかったか。あれだけの規模だと大きすぎ、リアリティを出すのが難しい。作り物っぽさが目に付きすぎて没入するのは無理。ストーリーはまあ楽しめる。パッションのリアリズムを期待するとちょっと違う。絵作りも少し古臭い。アートにはなれていない。
スリーハンドレッド。麦畑の演出を除けば予想外に良かった。ローマ時代以前の設定で、麦畑で男女が再会したり分かれたりする絵は見飽きた。グラディエーターで完成されてしまったから。全編が詩篇のよう。美しい。ところで、日本弓から放たれる矢の映像はすごい。たわみながらも回転して飛んでいく矢。この超高速カメラの映像を、映画に応用するのだ。これまで人類が見たこともない、驚異的な合戦画面の絵が撮れるだろう。確実に世界的に、話題になるはずだ。超高速カメラの威力は、必ずハリウッドの注目するところとなり、時間の問題で映画の素材となっていくだろう。
ミリオンダラーベイビー。クリントイーストウッドが演じる初老のトレーナーが女子ボクサーを育てるクリントイーストウッド監督のお話し。こんな凄い映画だとは全く思わなかった。生きるとはどういうことなのか。イーストウッド監督はこのテーマを真正面から掘り下げている。BGMの極めて抑制された使い方。アートであり、哲学だ。見終わって放心し、そして朝まで物思いにひたってしまった。とにかく凄そうなので心の準備が整わず、星条旗も硫黄島もまだ観ていない。あまりにも考えさせられる映画を観ると、しばらく社会復帰できないからね。もう観る前の自分には戻れなくなるし。ミリオンダラーベイビーも、この映画を観る前の自分には戻れない。イーストウッドだけは別格だな。
フェリスはある朝突然に。もう、ひどい邦題。フェリス・ビューラーの休日、とでも直訳しておいたほうがよかった。シカゴで撮られたこの映画を、20年前にシカゴで観て、虜になった。特典映像によれば、この映画は米国でも極めて高く評価されていて、アメリカ文化の一部になったとまで言われているらしいことは初めて知った。今観ても、何度観ても、完全に楽しめる。欠点の無い映画である。この楽しさをもっと味わいたいので、ジョン・ヒューズの監督作品をとりあえず2作オーダーしておいた。彼はホームアローンの脚本も担当している。どうりで面白いわけだ。ホームアローンも子ども達と観たいのでついでにオーダー。
フィフスエレメント。VHSで随分観たのだが、DVDを調達したので、妻と娘とも一緒に再度観る。面白いなあ。Wikiには誰も紹介していない。リュックベッソン、ミラジョボビッチ、そしてダイハードの彼に定番の悪役の彼が出て、意匠をゴルチエがデザインした、輝くような映画だ。ジョボビッチの震えてる演技はこのとき以来です。彼女の登場場面のなんと素晴らしいことか。「フェリス」と同様、全く欠点というものが無い。完璧なバランスとテンポで仕上げられたフランスの傑作。ブレードランナー級の価値があると思う。筋もセリフも全部覚えてしまった。ルチアの声は誰の録音だろうか。素晴らしい。これはオペラアリアを聴くようになって今回初めて分かった発見。
トリコロールに燃えて。シャーリーズセロンが本当に美しい。オープニングの威力でラストまでみせてしまう。意外な展開に引き込まれる。
アマデウス。公開当時から久方ぶりに観た。当時は画期的なリアリティを感じたが、今観るとやはり時代を感じる。でもこの映画を出発点として、エリザベスとか、去年のマリアントワネットとかにつながってるんだろう。「アマデウス」に触発されてシカゴでドンジョバンニのチケットを買って観にいくのをクリスマスに忘れた苦い思い出。
一番良かったのは「武士の一分」。必要にして十分なセリフ。カット割りも適切。現代的なキレもある。配役もよく、あるかないかの音楽もよい。傑作。藤沢周平の原作によるとは思うが、セリフがすべて最高だ。HEROもよかったが、基本的にキムタクファンである。中年男性キムタクファンは結構多いと思う。
映画はまだまだ全然観ていない。肥沃な、膨大なコンテンツの大海がある。少し古めの映画をどんどん観ていきたい。楽しみだ。
最近のコメント